『松実家のお昼』
菫「細かいことは気にするな」グツグツ
菫「そんな関係でもないだろ、裸くらい気にするな」
宥「玄ちゃーん、今日のお昼何がいいー?」
玄「んー・・・、なんでもいいよー」ゴロゴロ
宥「なんでもいいが一番困るんだけど・・・」
玄「えーっ、じゃあ・・・」ちらっ
TV「本日の隠れた名店はここ!本場大阪のたこ焼きが・・・」
玄「たこ焼きがいいー」パタパタ
宥「たこ焼き?」
宥(食材あったっけ?・・・たしかタコはあった気がするけど)ゴソゴソ
玄「あっ、無理ならいいよー」グダグダ
宥「玄ちゃんが食べたいって言うなら作るよー」ゴソゴソ
玄「んー♪おねーちゃんはやっぱりやっさしい!」
玄「そうだ!せっかくだからみんなも呼ぼうよ!」
宥「いいよー」ゴソゴソ
30分後
憧「良かったの宥姉?来ちゃってから言うのもあれだけど」
宥「うん、みんなで食べた方がおいしいし」ニコッ
穏乃「たっこ焼きパーティー!たっこ焼きパーティー!」うきうき
灼「ちょっと穏乃、少し落ち着きなよ」どうどう
玄「阿知賀麻雀部、全員集合だね!」
穏乃「たまにはこういうのもいいですよねー」わくわく
玄「じゃあ焼くねー」
憧「えっ?玄が焼くの?」
灼「大丈夫?」
玄「おまかせあれ!」
宥「ひっくり返すのはおねーちゃんがやるね」
30分後
宥「はーい、出来たよー」
穏乃「わー!おいしそう!」
憧「見た目はいい感じね」
灼「あっ、私青のりいらない」
玄「それではでは・・・」
玄 宥 穏乃 憧 灼「いただきまーす」パクッ、ハフハフ・・・
穏乃「んー♪おいしいー」モグモグ
憧「家でやるたこ焼きっていうのもいいわね」モグモグ
灼「出汁で食べてもおいしいかも」モグモグ
玄「よーっし、おねーちゃん!ドンドン焼こうよ!」モグモグ
宥「もうタコないよ」モグモグ
玄 穏乃 憧 灼「・・・・・・・・・・・・・えっ?」
宥「今ので全部タコ使い切っちゃった」モグモグ
憧「ええーっ!?ちょっと宥姉!」
灼「たこ焼きパーティー終了のお知らせ?」
穏乃「ううっ、私まだ物足りないや・・・」ぐぅ~
玄「どうするの~!?おね~ちゃ~~~~あん!」
宥「えっと・・・、じゃあタコ以外のもの入れてみる?」
数分後
宥「たこ焼きに入れれそうなもの持ってきたよー」ドシャァ
憧(タコが入ってないたこ焼きを、たこ焼きって言っていいの?)
穏乃「わー、たくさんありますねー」
灼「ちくわにチーカマ、ウィンナーにたくあんにツナ缶、チョコまであるや・・・」
玄「おいしいのかなこれ・・・、あっ!これは・・・!」
宥「ちっちゃい丸餅が残ってたの、一口大に切ってたこ焼きに入れてみよっかなって」
玄「やってみようおねーちゃん!おもちたこ焼き!」
数分後
宥「はい出来たよ、おもち入りたこ焼き」
玄「それでは早速・・・」
玄 宥 穏乃 憧 灼「いただきまーす」パクッ、ハフハフ・・・
憧「これは!?」モグモグ
灼「・・・イケるね」モグモグ
穏乃「おいしい!おいしいですよ宥さん!」モグモグ
宥「良かったー」モグモグ
玄「おもちって偉大だね!」モグモグ
一時間後
玄「んー、色々作ったねー」
灼「ぬか漬けたこ焼きは微妙だったね」
憧「私は以外と柿の種たこ焼きがおいしかったわ」
穏乃「あえての具なしもおいしかったよ!」
宥「冷蔵庫の余りものも使えて、一石二鳥だったよ~」
憧「・・・まぁでもやっぱ、普通のたこ焼きが一番おいしかったわね」
灼「でもまぁ、楽しかったし」
穏乃「みんなで食べると楽しいですもんね!」
憧「そりゃそうだけどー」
宥「ごめんね憧ちゃん、私がタコ切らせちゃってたから・・・イカならあったんだけど」
憧「別に宥姉が悪い訳じゃ・・・・・・・って、え?」
灼「宥さん、イカはあったんですか?」
宥「うん、でもイカは邪道かなって・・・」
穏乃「そういう問題!?」
玄「まぁイカ入りたこ焼きって、タコ入りイカ焼きくらいややこしいからねー」
憧「そんな言い方したら、そりゃややこしいわよ!」
灼「イカでもおいしいと思うけど(哲也でもやってたし)」
穏乃「でも私、今日で学びました!」
玄「ほほう、しずちゃんは何を学んだのかな?」
穏乃「ご飯は何を食べるかより、誰と食べるかが大事なんですよ!」
憧「それ言われたら・・・」
灼「穏乃良いこと言うね」
玄「おねーちゃんの作るご飯はおいしいもん♪」
穏乃「そうですね、憧の料理だとこうは・・・」
憧「何ですって?」ゴゴゴゴ
穏乃「あっ・・・(しまった)」
憧「しず~?ご飯は何を食べるかより、誰と食べるかよね~?」ニコニコ
穏乃「いやっでも、憧の料理はまだまだ未熟だし・・・」
憧「しずぅ~?今晩うちでご飯食べな~い?」ニコニコ
憧「もちろん私の、手・料・理♪」ゴゴゴゴ
穏乃「ひぃ~!それはご勘弁だよー!」ピューン
憧「こらーしず!逃げるなー!」ドタバタ
灼「いつも通りだね、あの二人は」クスクス
玄「憧ちゃん、お料理は苦手だからね」あはは・・・
宥「ふふっ、なんだかあったか~い」ニコニコ
『菫と照の夕飯』
菫「ほら照、煮えてきたぞ」グツグツ(鍋が煮える音)
照「・・・」
菫「なんだ照、自分でよそわないのか?全く、仕方ないな・・・」ヤレヤレ
照「・・・菫」
菫「どうした照?今よそってやっているぞ?」カチャカチャ
照「・・・二週間」
菫「ん?」
照「私が菫の家での夕飯のお誘いを受けて二週間」
菫「そうか」カチャカチャ
照「私はこの二週間、毎日菫の家で夕飯を食べている」
菫「毎日誘ってるからな」コトッ
照「拉致られてるの間違い、部活終わったらすぐに」
菫「細かいことは気にするな」グツグツ
照「そして毎日私は、菫の作った鍋を食べさせられてる」
菫「毎日味は変えてるだろ」グツグツ
照「塩だったりキムチだったり豆乳だったりしたけど、結局は最後に鍋がつく」
菫「細かいことは気にするな」グツグツ
照「気にするよ!ていうかなんなのこれは!?」バン!
菫「突然大声を出すな、びっくりする」
照「なんなの!?菫は私を太らせて食べる気なの!?」
菫「なんだその童話みたいな想像は・・・」
照「私ももう限界なの!毎日拉致られて、毎日鍋食べさせられて!」
菫「なんだ鍋は嫌いだったのか照?」
照「こう毎日だとこうなるよ!っていうか今更聞くな!」
照「なんなの菫!?どんな意図があってこんなことするの!?」
菫「照、私たちは阿知賀でなにを学んだ?」
照「菫が気持ち悪いストーカーってこと」
菫「照、真面目に答えてくれ」
照(真面目に答えたんだけど・・・)
菫「・・・照、この間の話を忘れたのか?宥はあったか~いものが好きなんだ」
照「だからってなんで鍋!?」
菫「知らないのか照?昔からこう言う・・・」
菫「胃袋を制す者は、恋愛を制すると・・・!!」グッ!
照(・・・なんか違う気がする)
菫「あったかい料理と言えば鍋だ!だから私は今、鍋料理を特訓してるんだ!」
照「だからってなんで私が味見役をしないといけないんだ・・・」ブツブツ
菫「ほら照!さっさと食べろ!あーんしてやるから」ヒョイ
照「自分で食べれる・・・あむっ」パクッ
菫「どうだ照、味は?今日は味噌ベースの鍋なんだが」
照「・・・んっ、・・・味はいけてる」モグモグ
菫「そうか!」パァアッ
照(この二週間で、大分料理の腕を上げてる・・・)モグモグ
照(元々菫はあんまり料理なんかしてなかったのに)モグモグ
照(・・・菫、本気で恋してるんだ)モグモグ
菫「はぁー・・・、早く宥に私の手料理を食べさせてあげたい」ヌギヌギ
照「ぶーーーーーーーっ!」(吹き出す照)
菫「どうした照?汚いぞ」ヌギヌギ
照「げほっごほっ・・・、なんで菫服脱いでるの・・・」
菫「暑いからだ、人間暑かったら服を脱ぐだろう?」ふぅ
照「だとしても、時と場合を考えてよ!」
菫「ここは私の家だぞ?」
照「うぐっ・・・、でっでも私がいるんだよ!?」
菫「そんな関係でもないだろ、裸くらい気にするな」
照「気にするよ!ていうか食事時なんだよ!?」
菫「宥!私はお前の胃袋を絶対に掴んでみせる!」(無視)
照「・・・」
照(やっぱりこの菫は、気持ち悪い)
カン
「シャープシューター? 前半は阿知賀だったし、
後半こそ絶好調とはいえ、言うほど菫さんの話か?」
と思ってしまった。だいぶ毒されている模様。