恒子「球春到来!」

恒子「固いバットを振るのは男だけじゃない!」

恒子「球を握り持つのは男だけじゃない!」

健夜「ちょっと何その言い方!?」

恒子「女の子だって野球が好き!野球やろうぜ!」

恒子「お前らTVの前に集合だ!野球見ようぜ!」

恒子「この試合を実況するのはこの私!福与恒子!」

恒子「そして解説は、沢村賞と三冠王を同時受賞という輝かしい経歴を持つ」

恒子「存在そのものがチートと言わざるえないアラフォー、小鍛治健夜プロ!」

健夜「年齢は関係ないでしょ!?っていうか私アラs・・・」

恒子「間もなくプレイボールです!」
恒子「それでは両チーム、スターティングメンバーを見てみましょう」

恒子「まずは守ります後攻、主人公チーム(清澄&阿知賀)のオーダーです」


1 三 竹井久
2 二 片岡優希
3 中 高鴨穏乃
4 左 松実玄
5 一 松実宥
6 右 鷺森灼 
7 遊 新子憧
8 捕 宮永咲
9 投 原村和


恒子「どうですか小鍛治プロ、先行チームのオーダーは?」

健夜「そうですね・・・、かなり清澄の選手を気遣ったオーダーかと」

恒子「ほほぅ、それはどういったことでしょうか?」

健夜「それはですね・・・」



場面変わって、後攻(主人公)チームのベンチ

晴絵「・・・」後攻チーム監督 赤土晴絵

晴絵(本来私が組みたかった打線はこうだ)


1 中 高鴨穏乃
2 遊 新子憧 
3 三 竹井久
4 捕 宮永咲
5 一 松実宥
6 左 松実玄
7 右 鷺森灼
8 投 原村和
9 二 片岡優希


晴絵(だけど結局、竹井の打順は一番以外はやる気でない発言)

晴絵(片岡はゲーム前半からトバしていくから上位がいい)

晴絵(宮永の『四番とか目立つのはちょっと・・・』という四番拒否)

晴絵「・・・はぁ」(ため息)

晴絵(一応打線としての形は作ったつもりだ)

晴絵(ほんとは玄には下位打線で楽な気持ちで打席に入って欲しかったし)

晴絵(憧も、しずがランナー時には打率が上がるから上位に置きたかった)

晴絵(でも、まだあまり知らない選手の要望をきかないってのはさすがに・・・)うーむ

まこ「どうしたんじゃ監督?えらい神妙な顔しおって?」

晴絵「ふぇっ!?あ、ごめんごめん・・・」ドキッ

まこ「しっかりしてくれんと困るのぉ、監督がそんな顔じゃ選手たちにも悪影響じゃ」

晴絵「・・・あぁ、気をつけるよ」

晴絵(・・・染谷まこ、一癖ある清澄の選手の中ではどちらかというと地味な選手だ)

晴絵(しかし彼女の持ち味は、投手捕手も含めた全ポジションができる)

晴絵(超ユーティリティープレイヤーというところ・・・)

晴絵(きっとこの試合でも力を借りることになるだろうな)



恒子「そして攻めますは先行、ラスボスチーム(白糸台&龍門渕)のオーダーです」

1 遊 龍門渕透華
2 二 国広一
3 三 大星淡
4 投 宮永照
5 中 弘世菫
6 一 井上純
7 左 亦野誠子
8 捕 渋谷尭深
9 右 天江衣


恒子「こちらのオーダーはどうですか小鍛治プロ?」

健夜「おおよそ順当かと、出来ることなら天江選手を上位に配置したいところですが、彼女の場合・・・」



場面変わって後攻(ラスボス)チームのベンチ

透華「さあみなさん!気合い入れていきますわよ!」 プレイングマネジャー 龍門渕透華

照「あの・・・」

透華「あら、何かありまして宮永さん?」

照「私が四番で良かったの?」

透華「・・・確かに、普段の私(わたくし)なら自分を四番にしていたでしょう」

透華「しかし!今回ばかりは別ですわ!」

透華「何故なら、相手の先発はあの原村和・・・!」ニヤリ

照「原村さん?」

一「透華は以前から、勝手に原村さんの事をライバル視してるからね」クスクス

透華「勝手などではありませんわ!私と原村和は宿命のライバル!」

透華「今日こそどちらが真の勝者か、はっきりくっきりさせて見せますわ!」

菫「・・・つまり、向こうの先発と一打席でも多く勝負したくて自分を一番にしたと」

智紀「そういうこと」

透華「それにいくら私といえど、あの宮永照を差し置いて自分を四番に置くなんて」

透華「そんなあつかましい事は出来ませんわ!」

純「守備位置だけは譲らなかったけどな」

淡「私はテルと近いところならどこでもいいよー」

透華「宮永さん、あなたの投球はもちろんですが、バッティングの方も期待してますわよ!」

照「・・・期待に応えられるよう頑張る」

照「・・・」チラッ(相手ベンチを見る)

照(咲、まだキャッチャーやってたんだ・・・)



恒子「さあ!後攻チームが守備につきます!」

和「咲さん、よろしくお願いしますね」 ピッチャー 原村和

咲「和ちゃんならきっと大丈夫だよ」 キャッチャー 宮永咲

宥「あったか~い所で打席回らないかなぁ」 ファースト 松実宥

優希「部長ってば、また口に草くわえてるじぇ」 セカンド 片岡優希

久「花は桜木、女は竹井!気合い入れていくわよー!」 サード 竹井久

憧「しずぅー!右中間ってちゃんとわかってんのー!」ショート 新子憧

玄「私が四番、私が四番、私が四番、はわわわ・・・」 レフト 松実玄

穏乃「大丈夫大丈夫!あっちらへんでしょー?」 センター 高鴨穏乃

灼「身体能力は凄いのにね、神は二物を与えないんだね」 ライト 鷺森灼



恒子「さあ!いよいよプレイボールです!」

ウグイス嬢(ギバード桜子)「一番、ショート、龍門渕透華ちゃぁぁぁん!」

透華「いきますわよ!原村和!」ビシッ!

恒子「一番龍門渕選手!相手投手に向かってバットを指し挑発しているー!」

健夜「いえ、あの動作はプリショットルーティーンかと」

恒子「へっ?ぷ、ぷりてしょ・・・」

健夜「プリショットルーティーン、打席に入るまでの動作をルーチン化して」

健夜「いつもと同じ状態で打席に立つようにする。いわばちょっとした精神統一のようなものです」

恒子「はぁー、そうなんですかー」へー

健夜「えぇっ!?それでも野球の実況者!?」

球審(志崎綾)「プレイ!」

透華「きなさい!原村和!」ギュッ!(バットを握りしめる)

咲(まず初球は・・・)サッサッ(サイン)

和「・・・」コクン

恒子「ピッチャー振りかぶってぇ、第一球・・・投げました!」

透華「はああぁぁ!」ブワン!

ガキン!

恒子「一球目から打っていった!しかし打球はほぼショート定位置の内野フライ」

憧「オーライ、オーライ」パスッ

恒子「まずは先頭バッターを一球で押さえました!原村和!」

咲「和ちゃん!ナイスボール!」

和「はい!」ホッ

透華「くぅぅ、初球ポップフライなど、一番打者として絶対にしてはいけないことですわ!」

一「力みすぎだよ透華、もっとリラックスしないと」

透華「一!しっかりボールを見ていきなさい!」

純「お前がそれを言うか?」

一「はいはい、分かってるよー」スッ

ウグイス嬢「二番、セカンド、国広はじめちゅあぁぁぁん!」

一「よろしくお願いするよ」

咲(この人はじっくり球筋を見るタイプのバッター)チラッ

咲(あまり球数はかけたくないけど・・・)

その後、フルカウントから三球ファールで粘り九球目

一「それ!」カキーン

恒子「打った!打球の早いゴロ!」

恒子「この当たりは一二塁間抜けるか!?」

優希「そうはさせないじぇ!」ズサーッ、パシッ

恒子「セカンドダイビング!打球に追いついた!」

和「優希!」

優希「ったぁ!」ビュン

一「くっ、間に合わないかな・・・」ダダッ

パシッ

一塁塁審(山谷ひな)「アウト!」

和「優希!ありがとうございます!」

優希「へへっ、後ろは任せろ!のどちゃん!」

恒子「セカンド片岡選手!初回からファインプレー炸裂です!」

健夜「バッターが右打ちを意識しているのを感じて、一塁よりに守備位置を移していたのが功を奏しましたね」

健夜「ある意味このプレーは、必然のプレーといえますね」

恒子「特にファインプレーではないと?」

健夜「そうですね、普通のプレー・・・ってこーこちゃん!何言わせるの!」

恒子「さすが小鍛治プロ!日本最強プレイヤーは若い子にも厳しい!」

健夜「若さは関係ないでしょ!?」

ウグイス嬢「三番、サード、大星淡ちゃぁぁああん!」

淡「テルーのためにも先制点とらないとね~」ユラユラ

恒子「独特なバッティングフォームで打席に立ちます、大星選手」

健夜「所謂、コンニャク打法というやつですね」

咲(この子がお姉ちゃんに拾われたったていう、大星さん・・・)

咲(あの打線で三番に入ってるということは、バッティングもかなりのもののはず)

咲(ここは慎重に・・・)サッサッ

和(外にスライダーですね)コクン

淡「♪~」

和(私は・・・咲さんを信じて投げるのみ!)ビュッ!

咲「!?」

咲(甘い!内に入ってきてる!)

淡「いっただきー♪」ブウン!

カキーーーーン!!

和「しまった!」クルッ

恒子「打ったあああーーーー!!センターへの大飛球!」

恒子「これはいったかぁーー!?」

淡「ふふーん♪まっ、私にかかればこんなも・・・」ゆっくり歩き出す淡

ワアアアアアアアアアアアアアアア!!!(大歓声)

淡「何事?・・・まさか!?」

恒子「センター高鴨!フェンスによじ登りスパイダーキャッチ!」

恒子「スリーアウトチェンジ!これは正真正銘のスーパープレイだーー!!」

穏乃「ふぅ、なんとか間に合った」ホッ

健夜「打球への反応が少し遅れてましたが、軌道が高かった分その遅れを取り戻せましたね」

健夜「その点を差し引いても、今のプレーはファインプレーですが」

憧「しず!ナイスプレー!」

穏乃「えへへっ、それほどでも」テレテレ

和「穏乃!本当に助かりました、ありがとうございます」ぺっこりん

穏乃「たまたまだよ、たまたま~」テレテレ

淡「・・・」(呆然)

菫「何をしている、守備の時間だぞ」ハイ(グラブ)

淡「・・・あのセンター、名前なんて言ったっけ」

菫「たしか・・・高鴨穏乃、だったかな」

菫「同じセンターとして賞賛するよ、さっきのプレー」

菫「並大抵の身体能力じゃないな彼女、素直に憧れるよ」

菫「才能だけで野球やってるお前と似たタイプの選手かも知れないな」

淡「・・・高鴨、穏乃」

淡「・・・」

淡「・・・へー、やるじゃん」ゴゴゴゴ


恒子「先攻チーム先発、原村和!」

恒子「味方の守備に助けられながらも、初回は無失点で切り抜けています!」

健夜「原村選手は立ち上がりに弱い印象がありますから」

健夜「上出来の立ち上がりと言えるのではないでしょうか」



恒子「攻守交代して、守りに入りますは先攻チーム!」


照「サインは任せる」 投手 宮永照

尭深「はい、いつも通りですね」 捕手 渋谷尭深

純「透華のヤロー、まだぶつくさ言ってやがんのか」 一塁手 井上純

一「初回は透華のところに飛ばなきゃいいな・・・」 二塁手 国広一

淡「高鴨穏乃、・・・覚えたよ」 三塁手 大星淡

透華「きぃ~~!原村和ぁ~~!」 遊撃手 龍門渕透華

誠子「まさかうちが初回無得点とは、久し振りだ」 左翼手 亦野誠子

菫「今日の照は調子良さそうだな」 中堅手 弘世菫

衣「ふぁ~~~・・・、眠い・・・」 右翼手 天江衣



恒子「そして打席に入りますは、後攻チーム一番竹井久!」

ウグイス嬢「一番、サード、竹井ひざちゃぁぁん!」

久「さぁ~、カモォ~ン」

照(今ウグイス嬢、ひざって言ってなかった?)グイッ

恒子「宮永照、ワインドアップから・・・」

照「・・・!」シュッ

恒子「第一球投げました!」

照 尭深「!?」

恒子「おおっと!これはすっぽ抜けた!」

照(しまった!余計なこと考えてたら・・・!)

尭深(・・・当たる)

優希「おっ!」

咲「あのコースは・・・」

竹井「きったぁああーー!」ブン!

グワァラゴワガキーン!

照「なっ!?」

尭深「あのインハイのボール球を打った・・・!?」

恒子「打球はレフトポール際!入るかー!?」

三塁塁審(桐田凛)「・・・ファール!」

久「あぁん!惜しい!」

照「・・・」

まこ「うちのあれは、ああいう悪球しか打てんからのう」ニヤニヤ

和「そんなオカルト・・・」

憧「おかもち?」

穏乃「竹井さんすっげぇぇぇ!」

尭深「・・・タイムお願いします」

球審「タイム!」

恒子「おおっとここで!後攻チーム一球目で早速のタイムだ!」

恒子「キャッチャーの渋谷尭深、マウンドに駆け寄ります」

尭深「宮永先輩」タタッ

照「・・・油断していた、と言われても仕方ないと思ってる」

尭深「・・・まだ点は取られてませんよ」

照「分かってる、さっきので目が覚めた」

照「ここからは油断なんてない、リードの方よろしく頼む」

尭深「・・・はい」

淡「テルー!飛ばすんなら私のとこに飛ばしてよねー!」

照「うん、分かってる。バックのみんなは信用してるつもり」

照「・・・後は私がどこまでやれるか」ゴゴゴゴ

恒子「一言二言言葉を交わし、試合再開です!」

久「作戦会議は終了したの?」ニヤニヤ

尭深「・・・」

久「あら、無視かしら?」

尭深「打席に集中した方がいいですよ、・・・無駄だと思いますけど」ボソッ

久「な、なんですって!」カチン

恒子「宮永照選手第二球投げました!」

久(ど真ん中!?でもこれなら・・・!)ブン

パシーン!

球審「ストライーク!」

久「!?」

優希「部長ってば完全に振り遅れてたじぇ」

和「咲さん、今のは・・・」

咲「あれは・・・」



恒子「ジャイロボール?」

恒子「それってつまり宮永照選手はジャイロボーラーってことですか?」

健夜「いやジャイロボーラーなんていうのは普通いないから・・・」

恒子「宮永照選手はジャイロボールという凄いストレートを投げる」

恒子「ジャイロボーラーだったようです!」

健夜「こーこちゃん話聞いてる?それMAJORの読みすぎだよ?」



和「ジャイロボール・・・そんなオカルト・・・」

和「いえ、オカルトではありませんね・・・」

和「実現可能な球種ではありますが・・・けど」

咲「お姉ちゃんは昔からナチュラルにポールがジャイロ回転していたからね」

咲「あれは所謂フォーシームジャイロ」

咲「初速と終速の差が少なくて、バッターからは浮いたように見える」

咲「バッターはタイミングが取りづらい球種だよ」

優希「ストレートとは違うのか?」

咲「ポールの回転自体が全然違うから、本質的に全くの別物だよ」

咲「ストレートは球にバックスピンをかけるものだけど」

咲「ジャイロボールはドリル状に回転をかけて・・・」

優希「・・・なんだかよくわかんなくなってきたじぇ」プスプス

球審「ストライク!バッターアウト!」

咲「あ、」

まこ「結局三球三振じゃったの」

久「ちょっとなによあれ!どういうことなの咲!?」

咲「私に聞かれても・・・」

和「というかそもそも、狙ってジャイロボールを投げてる時点でおかしいです」

優希「ジャイロボール、ジャイロボール、ジャイロボール・・・」ブツブツ

咲「優希ちゃん!あまり考え込まないで!」

咲「ジャイロボールだからってなにも特別なことは・・・」

ウグイス嬢「二番、セカンド、片岡優希ちゃぁぁん!」

バシーン!バシーン!バシーン!

球審「ストライク!バッターアウト!」

咲「あふん」

まこ「一打席目の優希は一番期待出来るんじゃがのう」

恒子「片岡選手!一回も振らずに見逃し三振です!」

憧「ちょっとしず!二者連続三球三振よ!」

憧「ここでしずが打って、向こうのいい流れを絶たなきゃダメよ!」

穏乃「うん、分かってる」コクン

憧「・・・本当に分かってんのかしら」

ウグイス嬢「三番、センター、高鴨穏乃ぢゅぁぁん!」

穏乃「お願いします!」

照「・・・」

照(いい目をしている、真っ直ぐな目)

照(・・・あの目を見ていると駄目、全てを見透かされてるような気がする)

照(なにより、向こうが何を考えてるのかが読めない)

照(・・・だから私は!)

尭深「・・・」ビシッ

照(尭深のミットめがけて投げることだけを考える!)

ズバーン!ズバーン!ズバーン!

球審「ストライクバッターアウト!スリーアウト、チェンジ!」

恒子「先攻チーム先発宮永照!」

恒子「圧巻の三者連続三球三振です!」

健夜「これ以上ない最高の立ち上がりといえますね」

照(二者連続で一度もバットを振ってこなかった・・・)

照(これは何かの作戦・・・?)

尭深「ナイスピッチングです、宮永先輩」

照「・・・うん」

照(いや、気のせいかな)

憧「ちょっとしず!あんたまでなにやってんのよ!?」

穏乃「ごめん・・・」ショボン

灼「ちなみに何の球種を待ってたの?」

穏乃「えっと・・・、ストライクです」

憧 灼「えっ?」

恒子「さあ初回は両チーム三者凡退で終えています!」

恒子「このまま投手戦となるのか!?はたまたここから乱打戦となるのか!?」

恒子「試合はまだ一回の攻防を終えたばかり!」

恒子「このあともまだまだ試合は続きます!」